
動名詞とto不定詞の名詞的用法は「〜ということ」という意味を表しますが、動詞の中には動名詞を目的語とした場合とto不定詞を目的語とした場合で、それぞれ異なる意味を表すものがあります。
どこが異なるのか分かりにくいので、和訳の下線部に注目しながら違いを見ていきましょう。
例文1:remember+動名詞(〜ing)
I remember seeing her here for the first time. 「私はここで初めて彼女に会ったことを覚えています。」
例文2:remember+to不定詞(動詞の原形)
Please remember to see the professor when you arrive at school. 「学校に着いたら教授に会うことを覚えておいて下さい。」
ここで注目してもらいたいのは和訳の下線部です。
例文1のseeing「会ったこと」が過去のことを表しているのに対して、例文2のto see「会うこと」はしなければならないこと、すなわち未来のことを表しています。
以下の違いを頭に入れて下さい。
・remember+動名詞(〜ing)→「〜したことを覚えている」
・remember+to不定詞(動詞の原形)→「〜することを覚えている」
片方を覚えておけば区別がつくので、remember+動名詞(〜ing)の“動”と「〜したこと」の“した”を会わせて「どうした!」と覚えるといいでしょう。
そうすれば、残ったremember+to不定詞(動詞の原形)が「〜すること」であると分かりますね!
このような覚え方を自分で考えることも、語学を勉強する上で重要ですよ。
★ ステップアップ
では、今度は例文2の訳し方に注目してみましょう。
実は例文2の和訳は直訳であるため、やや不自然な日本語になっています。
直訳は英文の構造を理解する上で有効ですが、和訳問題の答えとしては適していません。
「覚えている」=「忘れていない」ということなので、「〜することを覚えている」=「忘れずに〜する」と解釈できます。
よって、「学校に着いたら教授に会うことを覚えておいて下さい。」→「学校に着いたら忘れずに教授に会って下さい。」と書き換えることが可能です。
ただし、意訳に自信が持てない時は、無理せず直訳するようにして下さいね!
例文3:forget+動名詞(〜ing)
He has forgot borrowing CDs from his friend. 「彼は友だちからCDを借りたことを忘れてしまいました。」
例文4:forget+to不定詞(動詞の原形)
I forgot to borrow books from the library . 「私は図書館から本を借りるのを忘れました。」
rememberが「〜を覚えている」という意味を表すのに対して、forgetは「〜を忘れる」という意味を表します。
動名詞を目的語にした場合と、to不定詞を目的語とした場合で意味が異なるので、rememberとセットで覚えるのがいいでしょう。
例文3のborrowing「借りたこと」が過去のことを表しているのに対して、例文4のto borrow「借りること」はしなければならないことを表しています。
これはrememberと同じですね!
よって、forgetの用法は以下のようになります。
・forget+動名詞(〜ing)→「〜したことを忘れる」
・forget+to不定詞(動詞の原形)→「〜することを忘れる」
★ 応用問題
また、rememberの文をforgetで書き換えることも可能です。
例文2を書き換えてみましょう。
「覚えておく」ということは「忘れない」ということなので、rememberはdon’t forgetで
書き換えられます。
Don’t forget to see the professor when you arrive at school. 「学校に着いたら忘れずに教授に会って下さい。」
この際もforgetの後に置く目的語に注意して下さい。
「〜したこと」なら動名詞(〜ing)、「〜すること」ならto不定詞(動詞の原形)を用いるのでしたね。
例文は「会うこと」なので、to seeとしなければなりません。
「会ったこと」であれば、to seeingとしましょう。
★ 差がつくポイント
例文5: try+動名詞(〜ing)
Mike tried speaking to her, but she couldn’t remember his name. 「マイクは彼女に話しかけてみましたが、彼女は彼の名前を思い出せませんでした。」
例文6:try+to不定詞(動詞の原形)
Mike tried to speak to her, but he couldn’t after all. 「マイクは彼女に話しかけようとしましたが、結局話しかけることはできませんでした。」
tryは「試みる」という意味ですが、rememberやforgetのように動名詞を目的語とする場合と、to不定詞を目的語とする場合で意味が異なります。
意味の違いは少し分かりにくいと思いますが、rememberやforgetと同じような方法で使い分けることができます。
まずは例文を見比べて下さい。
例文5のtried speaking toが「話しかけてみた」という意味であるのに対して、例文6のtry to speak toは「話しかけようとした」という意味を表しています。
ちなみに、speak to(〜)は「〜に話しかける」という意味の熟語なので、ここで覚えておきましょう。
「話しかけてみた」と「話しかけようとした」の違いを考えると、「話しかけてみた」は“実際に行われたこと”で、「話しかけようとした」は“実際に行われるかどうか分からないこと”だと分かります。
よって、try(〜)の用法は以下のようになります。
・try+動名詞(〜ing)→「(実際に)〜してみる」
・try+to不定詞(動詞の原形)→「〜しようとする(実際にするかどうかは不明)」
下線の部分が重要ですね!
★ try(〜)を区別する方法
rememberやforgetは目的語の時制によって意味を区別することができましたが、tryは目的語の時制では区別できません。
そこで覚えてもらいたいのが、英語の文法とそれが表す意味をセットにするという方法です。
社会科の語句を覚える際に、天台宗+最澄→「てんさい(天才)」、真言宗+空海→「しんくう(真空)」などとセットにしますよね。
片方が分かれば、もう片方も自然と分かるので、try+動名詞かto不定詞のどちらかをセットにして覚えましょう。
私はtry+to不定詞と「〜しようとする(実際にするかどうかは不明)」で、「不」という漢字が共通しているので、「不定詞は不明である」覚えています。
try+to不定詞の意味が分かれば、残った方がtry+動名詞の意味だと分かるので、どちらか迷った時は結構使えるはずです。
ただし、前提としてtry(〜)が表す2つの意味は両方頭に入れておいて下さい。
意味さえ覚えておけば、この方法できちんと区別することができますよ!
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